御由緒
天慶に入り、都は大地震や平将門の乱(天慶の乱)と相次ぎの災いで世情不安となりました。天下泰平と万民幸福を祈念致し、朱雀天皇の詔により天慶3年(940年)の9月9日御所にお祀りされていた由岐大明神を都の北方にあたる鞍馬に地にお遷しされました。この御遷宮の時、鴨川に生えていた葦で松明を造り、道々には篝火を焚いて、神道具を先頭に文武百官供奉の国家的一大儀式により御勧請されました。その行列の長さ10町(1km)にもなったと言われております。この儀式に感激した鞍馬の住民が、この儀式と由岐大明神の霊験を後生に伝え遺し守って きたのが鞍馬の火祭の起源であります。その後豊臣秀吉の信仰もあつく、慶長12年に御本殿と拝殿が豊臣秀頼によって再建されました。特に拝殿は中央に通路をとった割拝殿という珍しい拝殿で桃山時代の代表的建造物でもあり現在は国の重要文化財に指定されております。
国を治め、人民の生活の道を教えになられた大己貴命(大国主命)、医薬の道をお授けになった医薬の祖神の少彦名命の二柱がお祀りされています神話ではこの二柱神々は皇孫に国土の統治権を献上された(国譲り)の大業を成し遂げられました。この神々が行った国作りとは、人々に農業や医術を教え、生活や社会を作ることであったとされ、事業の守護神・商売繁昌の神様また縁結びの神様としての御神徳があります。また古の昔より伝え守り遺してきている火を司る祭典により、火伏せに霊験のある神としての御神徳は、現在も広く厚く信仰いただいております。
子供を抱いている非常に珍しいもので子孫繁栄子授・安産の神様として古くより信仰されています。
安産腹帯 戌の日に御受け下さい。 初穂料:3,500円
子授御守 子授を祈願しお二人で
安産御守 易く無事に出産できる 初穂料:1,000円
狛犬 原物を模した置物 初穂料:3,000円
慶長12年(1607年) 豊臣秀頼により再建された拝殿。 左右二つに分かれて中央に通路のある荷拝殿(にないはいでん)また割拝殿(わりはいでん) いう形式で、桃山時代の代表的な建築物として現在国の重要文化財に指定されています。
樹齢:約800年
樹高:約53メートル
古くから『大杉さん』として親しまれ、一心に願えば願ことが叶うとされている。
御神木『大杉さん』願い叶う御守
御神木 大杉の樹皮で造った御守です。
大杉さんの分身として願いが叶うようお持ち下さい。
初穂料:1,000円
22日午前9時、本殿にて例祭を執り行います。雅楽が流れる中、祭が盛大かつ厳粛に無事斎行できるようご祈念致します。
続いて奉遷の儀が執り行われ、本殿にお鎮まりになられている由岐大明神・八所大明神が2基の御神輿に御遷りになられます。
午後6時、神事触れの「神事にまいらっしゃーれ」の合図で鞍馬の各戸に積み重ねられた篝(エジ)に一斉に点火され祭が始まります。
幼少年が小松明を担いで練り歩き、次第に燃えさかる大松明を担いだ青年たちがこれに加わり、「サイレイ、サイリョウ」を繰り返して囃しながら各仲間の宿に出発の時刻などが伝達されます。
その後、菊・桐・蝶・葵・鳳・百足・寺の各鉾や鎧を着た武者が仲間の宿から出てくる頃、山門前では石段に大松明を立てた若者がひしめき合い一大壮観を呈します。やがて太鼓の合図と共に青葉の精進竹に張った注連縄を切る『注連縄切りの儀』が行われます。
その後、松明の祭から神輿の祭へと変わります。御輿の前で神幸の儀を執り行い、八所大明神御神輿・由岐大明神御神輿の順で参道を下ります。御神輿の上に鎧武者が乗り、後ろには綱がつけられ、坂や石段から急に降りないように町の乙女達が綱を引きます、御神輿の上に人間が乗ること、また女性が参加することも祭の異色の一つです。またこの綱を引くと易く出産が出来ると昔から伝えられていることで、多くの若い女性が綱を引きます。
山門の石段を御神輿が下りる時に2人の青年が御神輿担い棒に逆さ大の字になって摑まります。これを『チョッペンの儀』と言い、鞍馬での成人式の名残だとされています。石段を下りた後、御神輿は氏子中を渡御し、御旅所に戻ります。
御旅所では御神楽が奉納され、4本の大きな神楽松明が境内をまわり諸式が終了致します。翌23日午前中に2基の御神輿が、御旅所から本殿へ御帰りになる還幸祭を執り納め、例祭『鞍馬の火祭』の諸儀が終了致します。